2026.10.12
コラム
のり面・法面の管理|崩落防止と緑化
道路の脇、造成地の縁、施設の敷地境界。
傾斜した土の面を「のり面(法面)」といいます。
普段は草に覆われていて意識されませんが、のり面は常に崩れる方向に力がかかっている場所です。
そして、崩れるときには前兆があります。
今回は、熊本市で造園と土木の両方を手がける いづの造園が、のり面の管理について整理します。

のり面が崩れる前に出るサイン
1.地面の亀裂
のり面の上部(天端)に、水平方向の亀裂が入っていないか確認してください。
これは、土が滑り出そうとしているサインです。
幅が広がっているか、記録を取って比較します。
2.はらみ出し
のり面の一部が、前にせり出している状態です。
離れた位置から横方向に見ると分かりやすくなります。
3.湧水・染み出し
のり面から水が染み出している場合、内部に水が溜まっています。
水は土を重くし、滑りやすくします。
崩落の原因として最も多いのが、この水です。
4.小規模な崩れ
表面の土が部分的に流れ落ちている。
小さくても、そこから広がることがあります。
5.植生の変化
- 草の生え方が一部だけ違う
- 木が傾いている
- 根が露出している
6.排水設備の異常
- 小段(のり面途中の平らな部分)の排水溝が土砂で埋まっている
- 縦排水溝が壊れている
- 水抜き穴から土砂が出ている
排水が機能していないのり面は、崩落リスクが高くなります。

草を刈る意味
のり面の草刈りには、景観以外の目的があります。
1.点検できるようにする
草に覆われていると、亀裂もはらみ出しも見えません。
刈ってはじめて、状態が分かります。
2.排水を確保する
小段の排水溝が草や土砂で埋まると、水が浸透してのり面を弱らせます。
3.根の深い植物を抑える
木本類(樹木)がのり面に根を張ると、
- 風で揺れて根が土をほぐす
- 倒れたときに根とともに土を引き剥がす
という問題が起きます。
のり面に生えた木は、小さいうちに処理するのが基本です。
4.見通しの確保
道路沿いののり面では、視距の確保が安全に関わります。
5.害虫・害獣の抑制
密生した草地は、ハチやイノシシの住みかになります。

草刈りの安全対策
のり面の草刈りは、平坦地とはまったく別の危険があります。
- 勾配に応じた装備……安全帯、ロープ、滑りにくい靴
- 単独作業を避ける……最低2名。互いが見える位置で
- 草に隠れた障害物……側溝、段差、ゴミ、崩れかけた箇所を刈る前に確認
- 飛石対策……下に道路や住宅がある場合、養生や規制が必要
- 上下作業の禁止……同じのり面の上下で同時に作業しない(落石・転落のリスク)
- 天候の判断……雨のあと、増水時、強風時は行わない
- 生き物……マムシ、ハチへの警戒
勾配が急なほど、必要な人員と時間が増えます。
平坦地と同じ単価では計算できないのは、このためです。
のり面を安定させる方法
1.植生による安定(緑化)
草や低木の根が土を抑え、表面の流出を防ぎます。
- 種子吹付……種子と肥料を吹き付ける
- 張芝・筋芝……芝を張る
- 植生マット・植生シート……種子を含んだマットを敷く
- 低木の植栽……根系で土を保持する
費用を抑えられ、景観にも馴染む方法です。
ただし、定着するまで時間がかかり、その間は流出しやすい状態が続きます。
根の浅い植物では、表層しか守れません。
深い層の滑りには効果がないため、地質によっては構造物が必要になります。
2.構造物による安定
- モルタル・コンクリート吹付……表面を覆って風化と侵食を防ぐ
- 法枠工……格子状の枠をつくり、その中を緑化する
- ブロック積み・石積み……のり面を構造物で受ける
- アンカー工……地中の安定した層に固定する
確実性は高いが、費用も上がります。
3.排水対策
実は、これが最も重要です。
- のり肩排水……のり面の上に水が流れ込まないよう、上部で受けて流す
- 小段排水……途中の平らな部分に排水溝を設ける
- 縦排水……集めた水を下へ流す
- 水抜き……のり面内部の水を抜く
のり面の崩落の多くは、水が原因です。
構造物をつくっても、水の処理をしなければ再発します。

点検の頻度
年1回の定期点検……草を刈ったあと、状態を確認する
大雨のあと……最も崩れやすいタイミング
地震のあと……内部で緩んでいることがあります
台風のあと
記録の残し方
- 同じ位置・同じ角度から写真を撮る
- 亀裂の幅を測る(定規を当てて撮影)
- 日付を記録する
- 気になる箇所に番号を振る
「去年と比べてどうか」が分かることが、判断の材料になります。
依頼前に整理しておきたいこと
- 場所と延長
- のり面の高さと勾配
- 現在の状態……草の状況、亀裂やはらみの有無
- 下に何があるか……道路、住宅、施設(リスクの大きさに関わります)
- 水の状況……湧水、雨のあとの様子
- 既存の構造物……排水溝、法枠、ブロック積み
- 管理区分……自分の管理か、道路管理者か、隣接地か
- 進入経路
とくに4の「下に何があるか」は、優先度の判断に直結します。
崩れたときの影響が大きい場所ほど、早めの対応が必要です。
熊本でのり面の管理なら「いづの造園」
いづの造園は、昭和30年の創業以来、熊本県を中心に事業を行ってきました。
造園工事業に加えて土木工事業・とび土工工事業の許可を持っているため、
- のり面の草刈り・除草
- のり面に生えた樹木の伐採・抜根
- 排水溝の清掃と改修
- 掘削・盛土、造成
- 崩落箇所の復旧
- 土のうの設置
- 植栽による緑化
- 防護柵の設置
まで、一つの窓口でご相談いただけます。
熊本市内での市道改良工事、排水路改良工事、土のう設置の実績もあります。

まとめ
のり面の管理について、押さえておきたい点です。
- 崩れる前には前兆がある。天端の亀裂/はらみ出し/湧水に注意
- 草刈りには点検できるようにするという重要な目的がある
- のり面に生えた木は、小さいうちに処理する
- 草刈りは2名以上。勾配に応じた装備が必要
- 安定化は植生/構造物/排水の組み合わせ
- 崩落の多くは水が原因。排水対策が最も重要
- 点検は年1回+大雨・地震・台風のあと。同じ位置からの写真で記録
- 下に何があるかで優先度を判断する
熊本県内でのり面の管理をご検討の担当者様は、いづの造園までお気軽にご相談ください。
対応エリア
熊本市(中央区・東区・西区・南区・北区)を中心に、熊本県内および周辺の隣県で対応しています。
公園・道路・学校・公共施設などの公共工事から、工場・事業所・商業施設・集合住宅といった民間の敷地まで実績があります。
株式会社いづの造園
- 所在地:〒861-4154 熊本県熊本市南区富合町平原198
- TEL:096-357-4379/FAX:096-357-1303
- 営業時間:8:30〜17:30(土日祝を除く)
- 創業:昭和30年(1955年)
- 許可:特定建設業 熊本県知事許可(特-7)第6510号
- 業種:造園工事業/土木工事業/とび・土工工事業
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