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2026.08.20

コラム

地震で庭の灯籠が倒れた・ずれた場合はどうする?安全確認と撤去・据え直しの考え方

地震のあと庭を確認すると、

「石灯籠が倒れている」
「灯籠の上の部分だけ落ちている」
「地震前より傾いている」
「石と石の位置がずれている」
「今は立っているけれど、余震で倒れないか心配」

といった状態になっていることがあります。

石灯籠は複数の石材を組み合わせて作られているものも多く、一つひとつの部材にも相応の重量があります。

そのため、地震によって位置がずれたり傾いたりしている場合には、見た目だけで安全と判断せず、まず人が近づかないようにすることが大切です。

この記事では、熊本で造園工事に携わる立場から、地震によって庭の灯籠が倒れた、傾いた、ずれた場合にどのように対応すればよいのかを解説します。

地震で灯籠が倒れたら、まず近づかない

地震後の灯籠で最も大切なのは、元に戻すことではなく安全を確保することです。

石灯籠は、一見すると安定しているように見えても、地震によって部材のかみ合わせが変わっていることがあります。

特に、

  • 灯籠全体が傾いている
  • 上部の石がずれている
  • 一部の石が落下している
  • 台座が沈んだり傾いたりしている
  • 周辺の地面にもひび割れがある

といった場合には注意してください。

余震などによって、残っている石材がさらに動く可能性があります。

無理に手で押したり、上部の石を動かしたりせず、安全な距離を確保しましょう。

「上の石だけ戻せば大丈夫」とは限りません

石灯籠は、種類によって形や構造が異なります。

一般的な石灯籠では、複数の石材を積み重ねて構成されているものがあります。

地震によって上部だけが落ちているように見えても、その下の部材や基礎部分まで影響を受けている可能性があります。

そのため、

「落ちた石を元の位置に載せるだけ」

で復旧できるとは限りません。

また、石材は見た目以上に重いものがあります。

自分で持ち上げようとして手や足を挟んだり、石が転がったりする危険もあるため、無理な作業は避けてください。

地震後に確認したい石灯籠の状態

安全な場所から確認できる範囲で、次のような点を見てみましょう。

灯籠全体が傾いていないか

地震前と比べて、灯籠全体が傾いていないか確認します。

以前の庭の写真などがあれば、比較すると変化を把握しやすくなります。

上部の石がずれていないか

灯籠の上部にある石材が左右にずれていたり、回転していたりすることがあります。

わずかなずれに見えても、高い位置から重量物が落下する可能性があるため、不用意に触らないでください。

石に割れや欠けがないか

地震の衝撃や転倒によって、石材自体が割れたり欠けたりすることもあります。

割れた部分を接着すれば必ず再利用できるとは限りません。

石材の状態を確認してから、復旧方法を考える必要があります。

台座や地面が傾いていないか

灯籠だけでなく、その下も重要です。

台座が傾いていたり、周囲の地面に沈下やひび割れが見られたりする場合には、据え直す前に設置面の状態を確認する必要があります。

倒れた石灯籠を自分で起こしてもいい?

小型の灯籠であれば、自分で起こせそうに感じることがあるかもしれません。

しかし、地震後はできるだけ慎重に判断してください。

石材は非常に重く、重量の偏りもあります。

また、灯籠を起こす過程で、

  • 石が滑る
  • 部材が外れる
  • 指や足を挟む
  • 別の石が倒れる
  • 灯籠自体が再び転倒する

といった危険があります。

特に大きな灯籠や高さのある灯籠、複数の石材で構成された灯籠については、自分で動かそうとせず専門業者へ相談することをおすすめします。

石灯籠の据え直しでは地面の状態も確認する

灯籠を復旧する際には、単に倒れた石材を元の位置へ戻すだけでなく、設置されていた場所の状態も確認します。

例えば地震によって、

  • 地盤が沈んでいる
  • 地面に段差ができている
  • 台座が傾いている
  • 周囲の石組みに変化がある

といった場合、そのまま据え直しても安定しない可能性があります。

灯籠の大きさや形、設置場所などを踏まえて、適切な方法を検討することが重要です。

接着剤やモルタルで固定すれば地震対策になる?

石灯籠の地震対策として、石材同士を固定する方法が検討されることはあります。

しかし、「接着すれば必ず安全になる」と考えるのは適切ではありません。

固定方法によっては石材そのものへ負担がかかったり、地震時に別の部分へ力が集中したりする可能性があります。

石灯籠の形状、材質、設置状況などによって適切な方法が異なるため、自己判断で加工や接着を行うのではなく、専門家へ相談してください。

特に歴史的価値のある灯籠については、石材への加工が文化財としての価値に影響する可能性もあります。

倒れた灯籠の石は捨てずに残しておく

地震によって灯籠が倒れ、石材がバラバラになった場合でも、破損していない部材は復旧時に再利用できることがあります。

そのため、安全に保管できるのであれば、復旧方法が決まる前に処分してしまわないほうがよいでしょう。

ただし、道路や通路などに落ちていて危険な場合には、安全確保を優先してください。

大きな石材を移動する必要がある場合は、無理をせず専門業者へ相談しましょう。

可能であれば被害状況を写真に残しておく

安全な場所から撮影できる場合には、灯籠を動かす前の状態を写真に残しておくと役立ちます。

例えば、

  • 灯籠全体
  • 倒れている方向
  • 落下した石材
  • 石材同士の位置関係
  • 台座
  • 周辺の地面
  • 建物や通路との位置関係

などを撮影しておきます。

復旧を依頼するときに、地震直後の状態を施工業者へ伝えやすくなります。

ただし、危険な灯籠へ近づいて撮影する必要はありません。

写真よりも安全を優先してください。

寺院・神社・歴史的な庭園の灯籠は勝手に直さない

特に注意が必要なのが、寺院、神社、歴史的建造物、文化財などに関係する灯籠です。

文化財に指定されているものや、歴史的価値のある庭園を構成する石造物の場合、一般的な庭の灯籠と同じように自由に修理できるとは限りません。

倒れたからといって、

  • 自分で石を戻す
  • 接着する
  • 穴を開ける
  • 新しい部材へ交換する

といったことは避け、まず所有者や管理者、自治体の文化財担当部署などへ相談してください。

復旧前の状態そのものが、被害状況を記録する重要な情報になる場合もあります。

実際の地震でも灯籠の倒壊被害は発生しています

石灯籠の地震被害は、決して珍しいものではありません。

今回の熊本の地震でも、熊本市が公表した被害状況には、北岡自然公園で灯籠10基の倒壊やその他の灯籠のずれ・回転、立田自然公園で多数の灯籠・玉垣の倒壊などが記録されています。

灯籠が完全に倒れるだけでなく、ずれたり回転したりする被害も実際に発生していることが分かります。

地震後に灯籠が立ったままであっても、以前との違いに気づいた場合には注意が必要です。

会社・店舗・施設にある灯籠にも注意

石灯籠は個人住宅の日本庭園だけでなく、

  • 旅館・ホテル
  • 飲食店
  • 寺院・神社
  • 病院や福祉施設
  • 会社の庭園
  • 結婚式場
  • 公共施設
  • 集合住宅

などの庭にも設置されています。

不特定多数の人が利用する施設の場合には、特に安全への配慮が必要です。

玄関、通路、駐車場など人が通る場所の近くに灯籠がある場合には、地震後に異常がないか確認しましょう。

傾きやずれが見られる場合には、利用者が近づかないようにしたうえで専門家へ相談してください。

灯籠を復旧するか、撤去するか

地震で灯籠が倒れた場合には、「必ず元に戻す」だけが選択肢ではありません。

灯籠の状態や庭の使い方によって、

  • 元の位置へ据え直す
  • 一部の石材を交換する
  • 設置場所を変更する
  • 灯籠そのものを撤去する
  • 庭全体のリニューアルに合わせて配置を見直す

などを検討できる場合があります。

例えば、人が頻繁に通る場所のすぐそばに大きな灯籠がある場合には、今後の安全性や庭の利用方法を含めて配置を見直すことも一つの考え方です。

どの方法が適しているかは現地の状況によって異なります。

地震で倒れた灯籠についてよくある質問

Q. 灯籠が少しずれているだけなら、そのままでも大丈夫ですか?

現地を確認せずに安全性を判断することはできません。

石材の位置が地震前から変化している場合には、不用意に触らず専門家へ相談することをおすすめします。

Q. 上の石だけ落ちました。自分で載せ直してもいいですか?

石材には大きな重量がある場合があります。

また、下の部材や台座が地震によって動いている可能性もあります。

無理に持ち上げず、特に大型の灯籠については専門業者へ相談してください。

Q. 割れた灯籠は修理できますか?

破損した場所や程度、石材の状態によって異なります。

修復できる場合もあれば、部材の交換や撤去を検討したほうがよい場合もあるため、現物を確認したうえで判断します。

Q. 灯籠の転倒防止対策はできますか?

灯籠の種類や設置条件によって、検討できる対策は異なります。

ただし、どの方法でも大きな地震に対して絶対に転倒しないことを保証できるわけではありません。

まずは設置場所や、人が近くを通る環境かどうかなども含めて安全対策を検討することが重要です。

Q. 造園会社に相談できますか?

石灯籠や庭石などは、日本庭園や造園工事と関係の深い分野です。

ただし、文化財に関係するものや特殊な石造物などでは、別の専門家や行政機関との調整が必要になる場合もあります。

いづの造園では、まず現在の状況を確認し、当社で対応可能な内容についてご案内します。

熊本で地震による灯籠・庭石の被害にお困りの方へ

地震によって灯籠が倒れたり、石材がずれたりしている場合には、まず人が近づかないようにし、安全を確保してください。

石灯籠は重量のある複数の石材から構成されている場合があり、地震後に不用意に動かすことは危険です。

いづの造園では、熊本を中心に庭づくりや造園工事、石材を扱う工事、土木工事などに取り組んでいます。

「地震で灯籠が倒れてしまった」
「石がずれていて元に戻せるか知りたい」
「庭石や灯籠をまとめて確認してほしい」
「復旧するか撤去するか相談したい」

といった場合には、まず現在の状況についてご相談ください。

写真が安全な場所から撮影できる場合には、灯籠全体や倒れた状態が分かる写真をご用意いただくと、相談がスムーズです。

なお、灯籠が大きく傾いている、上部の石材が落下しそうになっているなど危険を感じる場合には、自分で直そうとせず、人が近づかないよう安全確保を優先してください。

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