2026.10.25
コラム
緑地管理の仕様書のつくり方|発注担当者向け
複数の業者から見積もりを取ったのに、金額がばらばらで比較できない。
これは、仕様書があいまいなことが原因であることがほとんどです。
条件が揃っていなければ、金額は比べられません。
今回は、熊本市で公共緑地の維持管理を担当している いづの造園が、仕様書のつくり方を整理します。

仕様書に書くべき7つの項目
1.対象範囲
図面で示すのが最も確実です。
- 敷地のどこからどこまでか
- 隣接地との境界はどこか
- 管理者が別になっている部分はないか(道路の法面、水路沿いなど)
文章だけの「敷地内」は、解釈がずれます。
図面に着色して範囲を示すと、認識のずれがなくなります。
2.作業項目
何をするのかを、項目ごとに書きます。
- 草刈り・除草
- 芝刈り
- 樹木の剪定
- 生垣の刈込み
- 落ち葉の清掃
- 病害虫の防除
- 施肥
- 花壇の植替え
- 危険木の点検
「緑地管理一式」では、業者ごとに想定が変わります。
3.数量
各項目について、数量を示します。
- 草刈り……面積(㎡)
- 芝刈り……面積(㎡)
- 剪定……本数、樹種、おおよその樹高
- 生垣の刈込み……延長(m)、高さ、片面か両面か
- 花壇……面積、株数
樹木は「本数だけ」では足りません。
樹高3mの木と10mの木では、必要な機械も時間もまったく違います。
分かる範囲でよいので、樹高の目安を入れると精度が上がります。
4.作業回数と時期
- 草刈り……年◯回(実施時期の目安も)
- 剪定……年◯回(樹種ごとに時期が違う場合はその旨)
- 落ち葉清掃……年◯回
「必要に応じて」という書き方は避けるのが無難です。
回数が決まっていないと、業者は多めにも少なめにも見積もれてしまいます。
5.刈草・剪定枝の処分
ここが、金額差が最も出る項目です。
- その場に敷き均す
- 敷地内の指定場所に集積する
- 全量を搬出して処分する
「処分費は含む/含まない」を必ず明記してください。
作業費だけを比較して安いと思っていたら処分が別だった、というのは実際によくある行き違いです。
6.仕上がりの基準
数値で示せるものは、示しておきます。
- 草刈りの刈高(地際から◯cm)
- 芝生の刈高
- 生垣の仕上がり高さ
- 樹木の枝下の高さ(地上から◯m)
「きれいに」では基準になりません。

7.安全・周辺への配慮
- 交通誘導員の配置が必要か(何人、何日)
- 立入制限の範囲
- 飛石対策
- 利用者・近隣への事前告知
- 作業できる時間帯、曜日
- 行事等で作業できない期間
とくに交通誘導員と作業時間帯の制限は、費用に直結します。
書いていないと、業者によって見積もりに入れたり入れなかったりします。

あいまいになりやすい箇所
「一式」の多用
小さな項目をまとめる場合は問題ありませんが、金額の大きい項目が「一式」だけだと比較できません。
「現場状況による」
見積もり段階で決められない項目は、
- 単価を出しておいて、実数量で精算する
- 想定条件を明記しておく
といった形にすると、後のトラブルを防げます。
樹木の扱い
- 枯れ枝の除去は含むか
- 高所作業車が必要な木は何本あるか
- 支障枝だけか、樹形を整えるところまでか
境界部分
- 隣地にはみ出した枝はどうするか
- 道路側の法面は誰の管理か
- 側溝の中の草はどこまでか
追加作業の扱い
- 台風後の対応は含むか、別途か
- 想定外の量が出た場合はどうするか
「どういう場合に追加が発生するか」を先に決めておくと、実施段階が円滑になります。
現地説明を設ける価値
書面だけでは伝わらない条件があります。
- 実際の草丈と密度
- 搬入経路の幅
- 駐車できる場所
- 樹木の実際の大きさ
- 障害物の多さ
現地を見てもらったうえで見積もりを取ると、精度が上がり、後の食い違いも減ります。
複数社に同じタイミングで現地を見てもらえば、条件も揃います。
複数年での考え方
緑地管理は、単年度で終わりません。
複数年の視点を入れると、仕様書の質が上がります。
- 今年やること
- 来年以降に回すこと
- 数年おきでよいこと(樹木の剪定は毎年でなくてよい場合があります)
すべての樹木を毎年剪定する必要はありません。
樹種と成長速度に応じて周期を決めれば、単年度の負担を平準化できます。
優先順位の考え方
限られた予算では、次の順で確保するのが基本です。
- 安全に関わるもの……枯れ枝、危険木、見通しの確保、排水
- 機能に関わるもの……通行の支障、雑草の繁茂
- 景観に関わるもの……仕上がりの美しさ

実施後の記録も仕様に入れる
作業が終わったあと、何を提出してもらうかも決めておきます。
- 作業前・作業後の写真(同じアングルで)
- 実施日と作業内容の報告
- 実数量の報告
- 処分の記録(マニフェスト等)
- 気づいた点の報告(次年度への申し送り)
「気づいた点の報告」は、意外に価値があります。
「この木は来年手を入れたほうがよい」
「ここは草刈りの回数を増やしたほうがよい」
こうした情報が蓄積されると、翌年の計画精度が上がります。

業者に確認したいこと
仕様書とあわせて、業者の体制も確認します。
- 必要な業種の建設業許可があるか
- 配置できる技術者がいるか
- 公共緑地の管理実績があるか
- 書類作成の体制があるか
- 繁忙期(5〜9月)に人員を確保できるか
- 高所作業車など、必要な機械を扱えるか
- 緑だけでなく、舗装や排水にも対応できるか
熊本では5〜9月に草刈りの需要が集中します。
その時期に確実に入ってもらえるかは、実務上の重要な条件です。
熊本で緑地管理の発注をご検討の方へ
いづの造園は、昭和30年の創業以来、熊本県を中心に造園工事と緑地の維持管理を行ってきました。
特定建設業の熊本県知事許可を受け、造園工事業・土木工事業・とび土工工事業の三業種を営んでいます。
公園や公共施設の緑地維持管理を長年担当し、国土交通省の案件も受注しています。
施工計画書、安全書類、写真管理、完了報告といった書類面も含めて対応しています。
仕様書の作成段階でのご相談も承ります。
「どういう項目を入れればよいか」「概算はどのくらいか」という段階でも、お気軽にお声がけください。
まとめ
緑地管理の仕様書をつくるときのポイントです。
- 対象範囲は図面で示す。文章だけの「敷地内」は解釈がずれる
- 作業項目ごとに数量を示す。樹木は本数だけでなく樹高も
- 作業回数と時期を決める。「必要に応じて」は避ける
- 処分の扱いを明記する。金額差が最も出る項目
- 仕上がりは数値で示す(刈高、生垣の高さ、枝下)
- 交通誘導・作業時間帯の制限も費用に直結する
- 現地説明を設けると精度が上がる
- 安全 → 機能 → 景観の順で優先順位をつける
- 実施後の写真と報告も仕様に入れる
熊本県内で緑地管理の発注をご検討の担当者様は、いづの造園までお気軽にご相談ください。
対応エリア
熊本市(中央区・東区・西区・南区・北区)を中心に、熊本県内および周辺の隣県で対応しています。
公園・道路・学校・公共施設などの公共工事から、工場・事業所・商業施設・集合住宅といった民間の敷地まで実績があります。
株式会社いづの造園
- 所在地:〒861-4154 熊本県熊本市南区富合町平原198
- TEL:096-357-4379/FAX:096-357-1303
- 営業時間:8:30〜17:30(土日祝を除く)
- 創業:昭和30年(1955年)
- 許可:特定建設業 熊本県知事許可(特-7)第6510号
- 業種:造園工事業/土木工事業/とび・土工工事業
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