2026.10.20
コラム
熊本で樹木の移植はできる?根回しと成功率の話
「工事で邪魔になるが、この木は残したい」
「別の場所に植え替えたい」
「記念樹なので、切りたくない」
こうしたご相談をいただくことがあります。
樹木の移植は可能です。
ただし、切って植え直すのとは違い、成功するかどうかは事前の準備で決まります。
今回は、熊本市の造園会社いづの造園が、樹木の移植について整理します。

なぜ移植は難しいのか
木を掘り上げるとき、根の大部分を切ることになります。
根は、樹冠と同じか、それ以上に広がっています。
しかし、掘り取れるのは幹のまわりのごく一部です。
つまり移植とは、
「水を吸う機能の大半を失った状態で、木を生かす」
という作業です。
だから、
- 切った根から水を吸えるようにする準備が要る
- 葉を減らして、蒸散を抑える必要がある
- 植えたあとの水やりが決定的に重要になる
根回し(ねまわし)とは
移植を成功させるための、事前の準備作業です。
やること
移植する予定の木の周囲を、あらかじめ掘って根を切っておきます。
このとき、太い根の一部は皮を環状に剥いで残す方法などがあります。
なぜ必要か
根を切られた木は、その切り口の近くから細い根(細根)を新しく出します。
細根は、水を吸う主力です。
根回しをして半年〜1年置くと、掘り取る範囲の内側に細根が育ちます。
その状態で掘り上げれば、移植後も水を吸えます。
根回しをせずに掘ると
太い根を切っただけの状態で植えることになります。
細根がないため水を吸えず、枯れるリスクが大きく上がります。
つまり、移植は「掘る日」ではなく「その半年前」から始まっています。
移植しやすい木・難しい木
比較的移植しやすい
- 若い木(樹齢が浅く、根が広がりすぎていない)
- 細根が多い樹種
- 常緑広葉樹の一部
- これまでに移植された経験がある木(根が制限された範囲に集まっている)
難しい
- 大きく、古い木……根が広く深く張っており、掘り取れる割合が小さい
- 直根性の樹種……まっすぐ深く根を下ろすタイプ
- 細根が出にくい樹種
- 弱っている木、病害のある木
- 掘削できない場所にある木(構造物や埋設物が近い)
一般に、木が大きく古いほど移植は難しくなります。
「大切にしてきた大きな木だから残したい」というご要望は多いのですが、大きい木ほどリスクが高いという関係にあります。

移植の時期
基本は、木の動きが穏やかな時期です。
- 落葉樹……落葉している11〜3月頃
- 常緑樹……芽が動く前後の3〜5月、または9〜10月
避けたい時期
- 真夏……蒸散が激しく、水が追いつきません
- 真冬の厳寒期……根の活動が止まり、寒害のリスクもあります
工期の都合で不適期になる場合
- 葉を大幅に減らす(蒸散を抑える)
- 蒸散抑制剤を使う
- 灌水の頻度を大幅に増やす
- 遮光や幹巻きで保護する
といった対応を取りますが、リスクは上がります。

移植の流れ
- 樹木の状態確認……樹種、大きさ、健康状態、根の張り方の推定
- 移植先の確認……日照、土質、水はけ、広さ、周囲との関係
- 根回し……半年〜1年前(可能な場合)
- 枝葉の整理……根とのバランスを取るため、剪定して葉を減らす
- 掘り取り……根鉢をつくり、崩れないよう巻き固める
- 運搬……クレーンやトラックで移動
- 植え穴の準備……移植先を掘り、必要に応じて土壌改良
- 植え付け……深植えにならないよう、根張りが見える高さで
- 支柱の設置……根が張るまで、風で揺れないよう固定
- 水鉢づくり・灌水……根に水が届くようにする
- 養生・管理……その後1〜2年が勝負
4の枝葉の整理は重要です。
根を減らしたのに葉をそのままにすると、水の需要と供給が合わず枯れます。
移植後、木が小さく見えるのはこのためです。
植えたあとが勝負
移植の成否は、その後1〜2年の管理で決まります。
灌水
最も重要です。
根が新しく伸びるまで、雨だけでは足りません。
とくに熊本の夏は、乾燥と高温で消耗します。
「誰が、どの頻度で水をやるか」を決めていない移植は、失敗しやすくなります。
支柱の管理
根が張るまで、風で揺れると新しい根が切れます。
支柱は確実に。ただし、幹に食い込まないよう緩衝材を入れ、数年後には撤去します。
マルチング
根元を覆い、乾燥と地温の急変を防ぎます。
経過観察
- 新芽が出ているか
- 葉の色はどうか
- 枯れ込みが進んでいないか
移植の成功が確認できるのは、翌年以降です。

「移植」か「新しく植える」か
正直にお伝えすると、移植より、新しい木を植えるほうが確実で安価な場合が多くあります。
移植には、
- 根回しの期間(半年〜1年)
- 掘り取りと運搬(クレーンが必要な場合も)
- 移植先の準備
- その後1〜2年の管理
- そして、枯れるリスク
がかかります。
それでも移植を選ぶのは、
- その木でなければ意味がない(記念樹、シンボルツリー、由緒のある木)
- 同じ大きさの木を購入すると高額になる
- 景観上、既存の木を残したい
といった理由がある場合です。
「なぜその木を残したいのか」がはっきりしていると、判断しやすくなります。
依頼前に整理しておきたいこと
- 樹種……分からなければ写真で
- 樹高と幹の太さ……両手で回せるか、回らないか
- 現在の場所と、移植先……距離、日照、土質
- 時期の制約……工事の予定など
- 周囲の状況……構造物、埋設物、搬出経路
- クレーンやトラックが入れるか
- 移植後の管理体制……誰が水をやれるか
- なぜ移植したいのか……代替が効くかどうかの判断材料
とくに時期は重要です。
「来月工事なので、来週移植してほしい」というご相談は、時期次第では非常に厳しくなります。
工事の計画段階でご相談いただけると、根回しの期間を確保できます。
熊本で樹木の移植なら「いづの造園」
いづの造園は、昭和30年の創業以来、熊本県を中心に造園工事と緑地の維持管理を行ってきました。
- 樹木の状態確認と、移植可否の判断
- 根回し
- 掘り取り・運搬・植え付け
- 移植先の土壌改良
- 支柱の設置
- 移植後の維持管理
- 移植が難しい場合の代替提案
まで対応しています。
造園工事業に加えて土木工事業・とび土工工事業の許可も持っているため、工事全体の中で樹木をどう扱うかを含めてご相談いただけます。

まとめ
樹木の移植について、押さえておきたい点です。
- 移植とは「水を吸う機能の大半を失った状態で木を生かす」作業
- 根回し(半年〜1年前)が成否を大きく左右する
- 大きく古い木ほど、移植は難しい
- 適期は落葉樹=11〜3月/常緑樹=3〜5月・9〜10月
- 根を減らすぶん、枝葉も減らす必要がある
- 成否はその後1〜2年の灌水と管理で決まる
- 移植より新しく植えるほうが確実で安価な場合も多い
- 工事の計画段階での相談が、選択肢を広げます
熊本県内で樹木の移植をご検討の方は、いづの造園までお気軽にご相談ください。
対応エリア
熊本市(中央区・東区・西区・南区・北区)を中心に、熊本県内および周辺の隣県で対応しています。
公園・道路・学校・公共施設などの公共工事から、工場・事業所・商業施設・集合住宅といった民間の敷地まで実績があります。
株式会社いづの造園
- 所在地:〒861-4154 熊本県熊本市南区富合町平原198
- TEL:096-357-4379/FAX:096-357-1303
- 営業時間:8:30〜17:30(土日祝を除く)
- 創業:昭和30年(1955年)
- 許可:特定建設業 熊本県知事許可(特-7)第6510号
- 業種:造園工事業/土木工事業/とび・土工工事業
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