2026.09.29
コラム
石垣・土留めの点検と補修|崩れる前にできること
石垣や土留め(擁壁)は、土の圧力を受け止め続けている構造物です。
普段は何事もなく建っているように見えますが、内部では常に力がかかっています。
そして、崩れるときは前触れがあります。
「ある日突然」に見えても、多くの場合、数年前から兆候が出ています。
今回は、熊本市で造園と土木の両方を手がける いづの造園が、石垣・土留めの点検と補修について整理します。

崩れる前に出るサイン
1.膨らみ(はらみ出し)
石垣や擁壁の一部が、前にせり出している状態です。
最も重要な警戒サインのひとつです。
背面の土が押し出す力に、構造物が耐えきれなくなっている可能性があります。
離れた位置から、壁面を横から見ると分かりやすくなります。
2.ひび割れ
コンクリート擁壁の場合、ひび割れの向きで意味が変わります。
- 縦のひび……構造的な力がかかっている可能性
- 横のひび……鉄筋の位置での劣化の可能性
- 斜めのひび……不同沈下(地盤の一部が沈んでいる)の可能性
幅が広がっているか、雨のあとに水が染み出しているかも確認します。
3.石のずれ・抜け
石積みの場合、一部の石がずれていたり、抜け落ちていたりする状態です。
石垣は石同士が噛み合って力を伝えています。
一つ抜けると、周囲の石の噛み合わせが崩れて連鎖することがあります。
4.水抜き穴からの土砂の流出
擁壁には、背面の水を抜くための穴(水抜き孔)があります。
ここから土砂が出ている場合、背面の土が流されているということです。
内部に空洞ができている可能性があります。
5.天端(てんば)の変化
擁壁の上部に、次のような変化がないか確認します。
- 地面に隙間や陥没ができている
- フェンスや縁石が傾いている
- 舗装に段差ができている
6.水抜き穴が詰まっている
土や落ち葉、植物の根で塞がっていると、背面に水が溜まります。
水は重く、土の圧力を大きく増やします。
排水不良は、擁壁が崩れる最も一般的な原因のひとつです。
樹木が原因になることもある
石垣や擁壁の近くに木が生えていると、次のような問題が起きます。
- 根が石の隙間に入り込み、成長して押し広げる
- 根が擁壁の背面に入り、構造を傷める
- 落ち葉が水抜き穴を詰まらせる
- 木が倒れたとき、根とともに擁壁を引き倒す
擁壁の上や、石垣の隙間から生えている木は、小さいうちに処理するのが基本です。
放置すると、木も大きくなり、除去そのものが難しくなります。

点検の頻度とタイミング
年1回の定期点検
同じ位置から写真を撮って記録しておくと、変化に気づけます。
大雨のあと
背面に水が溜まると、圧力が急に増します。
地震のあと
見た目に変化がなくても、内部で緩んでいることがあります。
近隣で工事があったあと
掘削や重機の振動が影響することがあります。
記録の残し方
点検で重要なのは、変化を捉えることです。
そのためには、記録が必要になります。
- 同じ位置・同じ角度から写真を撮る
- ひび割れの幅を測る(定規を当てて撮影)
- 日付を記録する
- 気になる箇所に番号を振り、図面に落とす
「去年より広がっているか」が分かれば、緊急度を判断できます。
一度きりの点検より、継続した記録のほうが価値があります。
補修の考え方
状態によって、対応は変わります。
軽度の場合
- ひび割れの補修(充填)
- 水抜き穴の清掃
- 目地の詰め直し
- 周囲の排水改善
中程度の場合
- 石の積み直し(部分)
- 背面の排水対策(暗渠の設置など)
- 補強
重度の場合
- 全面的な積み直し
- 擁壁の造り替え
まず排水を確認する
補修を検討する前に、なぜそうなったのかを見ることが大切です。
原因が排水不良なら、構造だけ直しても再発します。
水がどこから来て、どこへ抜けているのか。ここを整理するのが出発点です。


緊急性が高い状態
次のような場合は、早急な対応が必要です。
- 膨らみが明らかに進行している
- 石が抜け落ちている
- 天端に陥没や大きな隙間ができている
- 水抜き穴から土砂が大量に出ている
- 直下に人が通る場所、建物、道路がある
まずは直下の立入を制限し、専門業者に見てもらってください。
一時的な措置として、ブルーシートで雨水の侵入を防ぐ、周囲を仮囲いするといった対応もあります。
造園会社に相談するという選択
石垣や土留めの問題は、緑と密接に関わっています。
- 樹木の根が原因になっている
- 落ち葉が水抜き穴を詰まらせている
- 法面の草が伸びて、状態が確認できない
- 補修後に、植栽で法面を安定させたい
構造物と緑の両方を見られる会社に相談すると、原因から対処までがつながります。
いづの造園は、造園工事業・土木工事業・とび土工工事業の三業種の許可を持っています。
- 石垣・擁壁まわりの樹木の伐採・抜根
- 法面の草刈り
- 排水改善、側溝の改修
- 掘削・造成
- 補修後の植栽
まで、一つの窓口でご相談いただけます。
過去には、熊本城の石垣の除草や、石垣から崩落した石材の回収作業なども担当しています。
まとめ
石垣・土留めの点検について、押さえておきたい点です。
- 崩れる前には前兆がある。突然ではない
- 警戒サインは、膨らみ/ひび割れ/石のずれ/水抜き穴からの土砂
- 排水不良が原因のことが多い。水抜き穴の詰まりを確認する
- 石垣の隙間から生えた木は、小さいうちに処理する
- 点検は年1回+大雨・地震のあと。同じ位置からの写真で記録する
- 補修前に、なぜそうなったのかを見る
熊本県内で石垣・土留めの状態が気になる担当者様は、いづの造園までお気軽にご相談ください。
対応エリア
熊本市(中央区・東区・西区・南区・北区)を中心に、熊本県内および周辺の隣県で対応しています。
公園・道路・学校・公共施設などの公共工事から、工場・事業所・商業施設・集合住宅といった民間の敷地まで実績があります。
株式会社いづの造園
- 所在地:〒861-4154 熊本県熊本市南区富合町平原198
- TEL:096-357-4379/FAX:096-357-1303
- 営業時間:8:30〜17:30(土日祝を除く)
- 創業:昭和30年(1955年)
- 許可:特定建設業 熊本県知事許可(特-7)第6510号
- 業種:造園工事業/土木工事業/とび・土工工事業
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